CarPlayを一年使ってみて
CarPlayを一年使ってみてちょっと感想を書いてみようと思います。
とそのまえに、思えばiPhoneが出るはるか昔のiPodの時代に、と言っても最近のiPod Touchではなく、1.8インチのHDDが乗っていたころ、いまではとんと見なくなったカセットテープデッキに入れるカセットアダプターでiPodを使ったのがはじめでした。
たしかデッキの早送り、巻き戻しに対応して早送りするとアダプター内で早送りを感知してiPodのリモコン機能を使って早送り、巻き戻しができるという話だけ聞けば画期的なシステムだと思ったのですが、デッキとの相性が良くなかったせいかまともに使えることはありませんでした。
その当時のカーオーディオといえばFMラジオを使って電話で音を飛ばすか、カセットアダプタを使ってカーオーディオと接続するのが一般的でした。カロッツェリアやアルパインとか3rd PartyのオーディオにはAUX端子がついていたような気がしますが、純正のオーディオにAUX端子がついたのは、iPodが出てから随分とたったころだったような気がします。車メーカのほうで積極的にサポートしたくなかったのかもしれません。
FMラジオを使った接続は雑音や、接続感度が悪かったりと手軽に接続できるが音質がいまいちという評判でした。そんなわけで新車を買ったときに純正のオーディオにはAUX端子端子はなく、CDプレイヤー + MD or カセット と選択できたので迷わずにカセットを選択してiPodを接続していました。
それまで車内ではCDを聞いていましたが、20枚くらいもってドライブに出ても不意に持ってきていないあのCDのあの曲が聞きたいとか、一曲だけ聞いて別のCDに入れ替えるとか今思えば不便なことがあったりしました。
それが手持ちのCDをすべて持ち運べるっていう画期的なiPodで解決できてえらく感動したのを覚えています。
その後、HDDのiPodはSSDを使ったiPodになったり、画面が大きなiPod Touchになったりとより快適になっていきました。
iPhone 3GSがでて生活が変わりました。iPhoneで音楽を流していても、そのときに電話が着信すれば音楽は一時停止になり電話の機能が優先されたり、標準のMapはその当時Google Mapだったので、ナビには使えなかったけど、事前に場所を調べていなくても行きたい場所が検索できたので一気にドライブが便利になったように思います。
それから、さらに何世代かiPhoneが進化してCarPlayが発表されました。いま調べてみると2014年に発表があったようです。
発表されて、すぐにサポートする自動車会社が発表されたりしましたが、実際にCarPlayを標準でサポートできるようになるまで3~4年かかったように思います。自動車会社のほうも自社のナビがあったりするので、ワザと対応がのんびりとしていたように思います。
初めてCarPlayを使ったのはアメリカでのレンタカーでした。それまではナビを借りたりGoogleMapをiPhoneに表示させたりしていました。レンタカー屋のナビは備え付けではなく、ダッシュボードに外付けで設置するようなもので画面も小さく使いにくいものでした。なによりも道を間違えたときのリルートが遅すぎて使い物になりませんでした。フリーウェイでEXIT Onlyに入ってしまい一度フリーウェイを出て再度戻る場合なんかは確実に間に合わないくらいです。
その後に日本のスマホもSIM Free化できるようになったりしたので、アメリカの安いSIMを利用してGoogleMapを使い始めました。これのおかげで随分と遠くまで運転できたり、フリーウェイで道を間違えても安心して戻ってこれるようになりました。
ただこのGoogle MapもiPhoneをレンタカーに取り付けると、自宅から持ってきたアダプターが合わずに現地で購入したり、スマホ取り付けの吸盤が熱で剥がれたりと、不満はすくなからずありました。(アメリカのレンタカーは借りているクラスが安すぎるためなのかUV加工が入っていないような気がします。アメリカでの滞在はカリフォルニアだったので日差しの強さもプラスされて吸盤の耐久は弱かったように思います)
そんなとき、2017~2018年くらいのレンタカーからCarPlayがポツポツと入ってきたように思います。韓国・アメリカの車だとだいたいCarPlayがサポートされていて、日本車は一歩遅れていたのかサポートされていない。そんな感じでした。
レンタカーにCarPlayがサポートされていると最高です。GoogleMapは事前に行きたいところをSaveしておけるので車に乗ってから面倒な操作は必要ないし、スマホマウントを使う必要がない。なによりも運転席からの一等地の場所に画面が表示されるので見やすいので安全に運転できるようになったと思いました。
音楽をかけていても、ナビの案内のときには音楽のボリュームが落ちて案内が聞きやすくなるのも良かったです。
そんな経緯があって、ロードスターは2019年秋の改善で標準でサポートされることになりました。ちょうど買い替えのタイミングでサポートされたのでテンションあがりました。
そんな感じで自分の車にCarPlayが標準装備されることで画期的に便利になったかといえばそうでもなく、はじめてアメリカのレンタカーで利用したときほどの感動がありませんでした。
約一年使ってみたので、従来のカーナビに比べて良いことが多いのでまとめると。
- Google Mapのセーブ機能は便利。WebBrowsingしているときに気になった場所をセーブしておいたり、ドライブの中継場所なんかもあらかじめ決めておいたり全てiPhone側に集約できるのがいい。一点残念なのはSiriから行き先を指定すると標準マップのほうが表示されるのでGoogleを直接呼び出せると個人的には最高。
- Siriは音楽の呼び出しに便利。運転中に聞きたい曲があったら車のハンドルのSiriボタンで「マイケルジャクソンのスリラーを流して」と言えば即座にその曲を流してくれる。普段はSiriは使わないけど、車だったら人の目を気にすることがないので良く使っている。
- ハンズフリー通話は便利。音楽を聴いていても通話を受信するとそちらを優先してくれて音楽を止めてくれて通話ができる。通常の電話、Facetimeオーディオ、Line通話とハンズフリー通話してみたけど、意外に通話品質も良いみたいで相手とも快適に会話ができる。終わればすぐにもとの音楽を続きから流してくれる。
- カーナビの地図を買わなくて良い。最近のマツダは標準でディスプレイが付いていて、ナビのソフトを別途買うようになっている。(ソフトというよりは地図情報だけ)これが4万円くらいするので、これを買わないですむのはお財布にやさしい。Googleのほうが地図が新しいので空き地を横切って走るような表示がでることもない。一点車載ナビが良い点を上げるとトンネル内などの電波が届かないところでも表示できるところ。
普段はまったくこまらないし、電波がとどかない場所というのは限られているが、首都高なんかは環状線がトンネルになっているので、分岐の指示がトンチンカンだったりしたことがあった。これは自律走行のセンサーが付いている車載のほうが間違いなく良いと思う。
- アラームを設定していると音楽を止めてアラームが表示できる。一回だけそんな機会があって、へーこんなこともできるのね。って思った程度。
- YouTubeアプリで気になるニュースを[後で見る]に保存しておいて、車内で音声をBGMがわりに聞く。これが従来のカーナビにできなかったことのように思う。ただ好みのニュースソースってのがまだないので、内容的にはFMラジオの1〜2分程度のニュースのほうが内容の簡潔さ、聞きやすさは圧倒的に良いと思う。YouTubeのニュースは見解が偏っていたりするので、バイアスなく淡々と流してくれるチャンネルがあったらいいなぁと思う。
- その他、メールの読み上げ、スケジュールの読み上げなどの機能があるみたいだが使ったことはない。
ざっと、1年つかったことをまとめてみたけど、地図も音楽ももともとのナビでもできたことで少し便利になった程度、YouTubeとハンズフリー通話が新しくできるようになった感じだけど、それほど頻度が高いわけじゃない。
最近のサポート機能で車のキーがiPhoneでコントロールできていらなくなったりしているみたいですが、多くの人がCarPlayに求めることって、それほど多くないように思う。
カーナビの地図が使えて、聞きたい音楽をながすことができる。なんかそれだけの機能を極限までに使いやすくしてもらえるだけで多くの人は満足できると思う。
もうちょっと、iPodが出た時の感動みたいなものがCarPlayで実現できるといいなぁって思う。スターウォーズのR2D2, TVドラマのナイトライダーみたいに、フレンドリーな車載器になったらいいなぁって思う。