p68’s blog

Apple製品とMazda Roadsterが大好きです

キーボードの話 その3:静電容量無接点キーボード編

Table of Contents

  1. 本日のお題目と結論
  2. 静電容量無接点方式
  3. ワタシの環境
  4. RealforceとHHKB
  5. まとめ

本日のお題目と結論

前回はレトロキーボードの紹介をしたのですが、現在でも新品で購入できるキータッチの良いキーボードというと 静電容量無接点方式 のスイッチを採用したキーボードが選択の1つになると思います。値段は少し高いですが耐久性を考えると十分もとが取れるキーボードです。

このスイッチを採用した国産メーカーのキーボードとしてはRealforceとHappyHackingKeyboard(HHKB)があります。どちらも東プレのスイッチを採用して使いやすいキーボードです。 最近は海外メーカで同様のスイッチを採用したキーボードがありますが、今回はRealforceとHHKBを長年つかっているのでその使い心地などを書いてみよう思います。

静電容量無接点方式

カニカルキーボードと違い、メカニカルな接点を持たないスイッチです。と偉そうに書いてみても、あくまでキーボードのスイッチなので、なにか特別なことができるわけではありません。押せば文字が入力できる以上はありません。 「普通に使いやすいですよ。」って書いてしまうと、じゃあ普通って何よ?って話になるので「普通」について書いてみます。

ワタシは好きな嗜好品の1つにコーヒがあるのですが、買って飲むのも、自分で淹れるのも好きです。もしコーヒが好きな人ならわかってもらえると思いますが、ブラックコーヒは、その豆の種類だったり、鮮度、焙煎の浅さ、深さでより味が変わることを知っています。もちろんミルクをいれても風味とかがわかる人がいるとは思いますが。。。(少なくともワタシはブラックじゃない違いがわからない)

えらくハマってた時期は毎週のように自家焙煎をしてくれる豆屋さんに通って色々と豆の購入をしていました。。そこでは焙煎中に一杯のコーヒを出してくださるのですが、ある日、結構お値段の高い豆の「ブルーマウンテンNo1」で出して頂いた日がありました。

そのとき店主の人が説明してくれたのですが、「お味のほうはどうですか?美味しいというよりクセがなくバランスが良いと感じませんか?」と。確かにそのとおりだったのです。酸味、苦味のバランスがちょうど真ん中な感じで、嫌な苦味も鼻につく酸味もないのです。それでいて香りは十分でていて、いくらでも飲めそうな味です。調和が取れているので毎日飲んでも、誰に出しても良い味です。

でもなんでしょう、なにかクセになる味ではなかったのです。焙煎の深さで味は変わるのでなんとも説明できませんが、モカの深い味で口に残る感じや、キリマンジャロのフルーツのような酸味があるわけではなかったのです。

ワタシの「普通に使いやすいですよ。」と言った静電容量無接点方式のスイッチの感想もブルーマウンテンNo1と同じに感じます。キーはスムーズに押し込めます。音も特別チャカチャカ、ペチャペチャするわけではなく、ストンと自然な音です。毎日長時間使ってもストレスを感じることはなく、飽きることなく使えます。キーボードスイッチの特徴がバランス良く真ん中に設定されている感じです。

一方メカニカルキーボードは、チャカチャカしていたり、クリック感があったり、色々なスイッチでその印象が変わってメカニカルキーボードだからという感想ではなく、スイッチごとの感想が異なります。 したがって、どのスイッチが良いというのは難しく、最終的には個人の好みに依存するところです。

ただ多くの人が自然に不満なく使うことができるスイッチ。それが静電容量無接点方式だと思ってます。

ワタシの環境

会社はサーバだったり、通年動作させているPCが多数あったりしますが、主にキーボード操作しているPCは自宅を含めても5台くらいしかありません。これに対して定常的に使っている一軍のキーボードは下記になります。

# Keyboard Name Qty スイッチタイプ  接続タイプ
1 Realforce US layout 静音スイッチ 変荷重  2 静電容量無接点 Wired
2 Realforce US layout 静音じゃない奴 変荷重  1 静電容量無接点 Wired
3 FILCO US layout Cherry brown switch 1 カニカル Wired
4 IBM Spacesaver 1 カニカル Wired
5 Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID type-s 1 静電容量無接点 Bluetooth
6 Happy Hacking Keybord (2nd generation 1997) 1 メンブレン Wired
7 Apple Keyboard(M0116) 1 カニカル Wired
8 Apple Wireless Keyboard US layout 1 パンタグラフ Bluetooth
9 Apple Magic Keyboard US layout 1 パンタグラフ Bluetooth

PC/Macの台数に対してキーボードが2倍あるのもおかしいですが、気分を変えて色々と組み合わせを変えて使っています。メカニカルは基本的にうるさいので人がいるときには使えません、ただ残業中の人がいないときにIBM Spacesaverでガタガタプログラムを組むのは最高ですし、M0116でこのブログとか長文のメールなんかを書くのも最高です。 パンタグラフは最高に静かなので人に迷惑をかけなくて済むのはうれしく、ちょっとしたメールを書くくらいならいいですが、1時間以上使うようだとちょっと疲れますね。 HHKBのメンブレンはキースイッチが特別使いやすいものではないですが20年以上使っているのでなんとなく使い続けている唯一のメンブレンです。

したがって自宅の夜中も使えるものとして、弱点の少ない静電容量無接点のキーボードを中心に使うようになっています。

RealforceとHHKB

f:id:p68:20210717124932j:plain
HHKB 上は2世代目、下は最新のHYBRID type-s

f:id:p68:20210717124943j:plain
Realforce 黒のキーキャップに黒の刻印がかっこいい
同じ静電容量無接点方式なので、キータッチが大きな違いがあるわけではありません。違いの荷重についてと、レイアウト、接続タイプについて書いてみます。

  • 荷重

    Realforceの特徴の1つとして、変荷重があります。これはキーボードの真ん中の荷重が重く、小指、薬指担当分は軽くなっているものです。等荷重も選べます。 HHKBは、現時点では等荷重しか選べません。45gで共通です。

    基本的にはタッチタイピングができればどちらも問題ないと思いますが、できないと変荷重は違和感があるかもしれません。 変荷重の小指担当分の35g と等荷重の45gの違いでみると、ワタシは右利きなので左手の小指が一番違いが感じられます。35gだとキーボードの上に指を乗せていてちょっと気を抜くとaaaaaaaaと入力されている感じです、しかし文章を入力するときには逆に指の筋力の違いをキーボードの荷重が補助してくれている感じで違和感なく入力できます。

    一方、等荷重は逆に違和感があるかというとそうではなく、スイッチはどれも同じ重さという認識があるので小指で入力するときには体のほうが少し強めに押している感じですが、そもそも10gしか違いがないので、大した違いはもともとないのかもしれません。ワタシはどちらでも問題無い感じです。

  • レイアウト

    Realforceは標準的なレイアウトです。テンキーあり/なし。US/JP、変荷重/等荷重、黒/白のマトリクスでサポートしています。ワタシはテンキーなしUSが好みです。

    HHKBはSunMicrosystemのType-3をBaseにした配列でReturnキーの上にDeleteキーがあるのが特徴です。ESCは[1]の左、CTRLは[A]の左なのも、好みのレイアウトです。 初代から使っていますが、初代はSunMicrosystemのワークステーションとPC用でケーブルを差し替えるとどちらでも使えます。そして翌年くらいにMacがサポートされて2代目になって初代を持っている人には格安で購入できたような記憶があります。たしか2万円の商品が1万円ちょっとで買えるみたいな。初代は会社に持ち込んで使いまくっていたのでテカテカになるまで使いました。捨ててないのでどこかにあるはずですが、最近どこにいったか不明になってしまいました。2代目はかなりの時間大事に保管していたので、いまだに比較的キレイです。

    このSunMicrosystemのワークステーション対応というのがいいですね。当時はUnixといえばSunMicrosystems。本体もメチャメチャカッコ良かったですね。白と灰色っぽいブルーのツートンカラーなのも良かったです。で高い機種になればなるほど、ブルーの比率が大きくなっていったような記憶があります。HHKBの白はこのツートンに似せているように思っていて、商品開発の人が相当SunMicrosystemのワークステーションに入れ込んでいたって勝手に思い込んでいるんですが、実際のところどうだったのでしょうか?

    また特徴の1つにカーソルキーがない!っていうのもありますが、初代からFnキーとの組み合わせで矢印キーのキーコードを排出することができます。

    現在の使いこなし術みたいなのをみるとはこのFnキーをスペースの左のキーにしてホームポジションを動かさないでカーソル操作を可能にして活用されているようです。

    ワタシの場合はUnixを元々つかっていたので、カーソルキーは使っていませんでした。(カーソルキーは機種依存しているのでX端末やコンソールで排出コードが違って設定が面倒だったので使わない)Windowsに移ってもエディタはemacsなのでカーソルキーは特に必要ないですね。ただExcelとか普通に数字を入力したり、取り込んで表を作成したり、Summaryを計算する式を入れたり、選択したりとするなら、カーソルキーとテンキーがあるフルキーボードのほうが幸せになれるんじゃないかと思います。

    選び方としてテンキーレスはマウスへの腕の動きが減らせます。HKKBのカーソルなしだとさらに腕の動きが減らせます。このメリットと数字の頻度や、カーソルの頻度のバランスによって選択を分けるのが良いと思います。これは個人の目的によって随分と変わるところだと思います。

  • 接続タイプ

    実は結構最近までワイヤレスはそれほどメリットを感じてませんでした。 バッテリの管理をしないといけないっていうのが一番気になるところで、線はそれほど気にならなかったというのがあります。だったら有線でいいじゃない。っと。 なので、いまでも本体と1対1で接続することに関してはそれほど変わりません。大きく便利だなぁとおもったのがHHKBのBluetooth接続で、これは4台までの接続を可能にしていてキーボードで簡単に切り替えることができます。机にPC/Mac/iPad/iPhoneと並べて入力を切り替えることもできます。 まぁできると、やるというのは別の話ですが、ワタシはこのコロナ禍で在宅で仕事をしています。日中は会社のノートPCを2枚の外付けディスプレイに接続しています。ノートPCは使いにくいので外付けキーボードが必要です。夜は私用のMacを使っています。これも同じように2枚の外付けディスプレイに切り替えて接続しています。いままでは別々の外付けキーボードを使っていたので、机の上とかが煩雑だったのですが、これをHHKBで1つにすることができます。同じ時間に切り替えて使うことにはそれほどメリットが感じませんが、この使うPCを切り替えたときにキーボードも切り替えられるっていうのはすごく便利です。 キーボードレスト、キーボードはそのままで、簡単な切り替えで画面をPCにしたり、Macにしたりできます。なのでここ最近はHHKBを朝から夜まで使うことが多いです。

    ちなみにMacとPCを同時に使うときには、キーボードを2つ用意して使っています。画面のまえにそれぞれキーボードがあるっていうのが一番間違いが少なくてストレスが少ないです。

まとめ

静電容量無接点のスイッチのキーボードについて書きました。良いスイッチなので多くの人におすすめできると思うのですが、値段で比べるとやはり高めなのは事実です。ただ「お値段以上〜ニトリ!」のように、キーボードも長く使えるので十分払った以上のメリットはあるように思います。そんな購入の悩まれている人に良さを伝えることができて背中をひと押しできたらメチャメチャ嬉しいです。