p68’s blog

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自作キーボード。その2、検討編

本日のお題目と結論

前回の書き込みで自作キーボード購入しようっかなぁというところまで来ました。今回はまったくの知識のない初心者が色々と調べてみて購入するまでのところを書いてみます。

事前調査

自作キーボードを調べてみてわかった市販のキーボードとの差を自分なりに列挙してみます。

  • キースイッチが好きなのを選べる。

キースイッチといえばCherryの茶軸、黒軸、青軸、赤軸などが思い浮かびますが、Cherry社のパテントが切れた関係で各社独自に色々なスイッチが出ていました。色でいうと、ピンク、黄色、シルバーなどが増えて各社色々と特徴があるようです。かつキー毎にスイッチを変えることもできます。

種類としてはすべて把握できませんが、50種類以上は発売されているようです。

また面白い文化があって、GroupBuyという販売形式が取られている製品があります。これは製品の企画段階で期限を区切って購入者を募ってから生産を開始するシステムです。スイッチのような好みの分かれるニッチな製品は企業側にしてみるとリスクがあってなかなか商品化できませんが、これならユーザさえ集まれば生産できるので良いシステムだと思いました。

デメリットとしては申し込みから製品の受け取りまでに時間がかかるようで早くて数ヶ月。キーボードのDIYキットなどでは1年以上待つものまであるようです。

  • 配列が好きなのを選べる。

基本的には一般的なテンキーレスな75%, HHKBなどのような60%など独自に出ています。さらに数字キーの列がないものや、左右に分離されているキーボードなどがあるようです。ワタシの場合は今のところ一般的な配列で良いので60%~75%あたりのANSI配列で大満足です。

自分ではんだ付けする場合はANSIのレイアウトを買って、スペースキーを分割してみたり、バックスペースを1Uの2つのキーにしてみたりとユーザの細かいニーズに対応できるようになっているみたいです。

通常は基板にスイッチをはんだ付けすることになりますが、スイッチの抜差しができるソケット形式になっているものもあり、ホットスワップ基板として選ぶことができます。このはんだ付けを必要しなくても良いので敷居が圧倒的に下がって誰でも気軽に始めることができます。

カーソルキーだけはニーズがあるようで60%のホットスワップの基板でもカーソルあり、なしのレイアウトが選べるようです。

  • キーのカスタマイズが柔軟

自作キーボード界隈の基板はソフトウェアQMK/VIAでのカスタマイズが一般的のようです。まだ勉強中なので十分な知識がないのですが、自分なりの理解で簡単にいうとQMKで基本的なレイアウトなどの設定をおこなって基本的にはなんでも設定ができるが、VIAはキーのカスタマイズに特化したソフトウェアのようです。

ホットスワップ版の基板を購入するとQMKでのソフトウェアは予め書かれているので、ユーザはVIAで自分の好みのキーマップを定義することができます。 ワタシはVIAはのカスタマイズだけで十分満足しております。ワタシの設定については後ほどご紹介したいと思います。

  • キーキャップも選び放題

自作キーボードを考える前は知らなかったのですが、キーの形状を表すプロファイルという種類があります。Cherryは横から見るとアーチを表すようなものから、段ごとの高さが一定のプロファイルなどがあるようです。 素材にも皆さんこだわるようでPBT、ABSと好みで選んでおくようです。

デザインたくさんあるので、色々と目移りしてしまいます。

このキーキャップの購入が一番敷居が高いようで、先に書いたGroupBuyでの募集が色々とでています。欲しいデザインのキーキャップがGBであったら迷わずに購入して受け取りは半年〜1年先みたいな感じになるようです。

  • ケースも選び放題

PCBAの基板に合わせたケースにはなりますが、色、素材といろいろと選ぶことができます。アルミのケースなど重いほど安定感がでてキータッチの音も低くなるので「重さは正義!」という流れですが、持ち運びを考えたらプラスティックケースの透明ケースなんかも面白いなぁと思います。

これもGBで募集されているみたいで、特に人気の高いものは生産数の数十倍のオーダが入るようで競争率も高そうです。そして数ヶ月~1年先にやっと受け取りという段取りのようです。

ものは試しにオーダ

この手のものは、まずは購入してみてからちょっと使ってみないとわからない部分があるので、まずは勉強代と思いあまり深く考えずに購入できるものをオーダしてみました。

とはいえ、なんでも良いわけではないのでいま時点で「自分なりに選んだ」という体になるように下調べをしてみました。

キースイッチの選定

さてまずはキースイッチの選定です。選定で王道なのは秋葉原の遊舎工房 *1 という自作キーボード専門店に行って色々と触ってみて選ぶというのがオススメのようです。 とはいえ、このコロナ禍で積極的に電車に乗って行きたくもないので通販でスイッチテスターなるものを購入しました。

遊舎工房の人気キースイッチが18個詰め合わせになっているセットで、キータッチを試しすることができます。 どこかに行ったとしても市販されているすべてのスイッチを比べることができるわけじゃないので、繰り返し人気18種が試せるというのは良いのではないでしょうか。一つ気がついたのはスイッチテスターは裏が空いているのでスイッチの響き具合みたいなものは試せませんが、それ以上に家だと静かなところで試せるのでお店で選ぶより好みのスイッチが見つかるかと思います。

スイッチは大きく分けて、クリック感のないリニアスイッチ、軽くクリック感があるタクタイルスイッチ、かちゃかちゃ鳴るクリッキースイッチが代表的な種類でそれぞれ赤軸、茶軸、青軸で各社製品化しているようです。 それに加えて、静音スイッチのピンク、ゲーム用にむいているスイッチの入る距離が若干短いスイッチは銀軸などが一般化しているようです。

いろいろ「ああでもない、こうでもないと触ってみると」Zeal PC社のSakurioが一番良かったです。 リニアスイッチの静音タイプのスイッチで結構軽めの感じが良かったです。 ではこれを注文!と思い値段を調べてみると結構お高い部類のキースイッチのようです。遊舎工房価格では5個で880円です。

キーを70個購入すると、12,320円です。触った感じだと確かによかったのですがちょっと高すぎませんかね。と思いこれはまた別の機会に買うことに。

今の好みはリニアスイッチの静音タイプが良さそうなので、別の候補がないかとまとスイッチテスターをカチャカチャ触ってみる。するとKailh Box Silentのピンクが感じ良さそうです。こちらの値段は10個で770円。 70個購入すると7,700円。これなら妥当な値段に感じます。

さてSakurioとKailhピンクを交互に触ってみるとどちらが良いという感じでもなく、ワタシ的にはどちらも好みです。 実際のところ鈍感なワタシでは打ち比べるのではなく、単体でブラインドテストするとどちらかわからないと思います。コーヒのCMで宮本亜門さんが「違いの分かる男」っていうのありましたが、あれの反対側にいるなぁと思ってしまった。

ということで、違いのわからない人間がお値段が倍以上違うものにこれ以上迷う必要はなくKailh Box Silentピンクに決定!

キーボードキットの選定

ここでキーボードを趣味としている違いのわかる人たちは自分でPCBAの選定、ケースの選定などをしたり、GBで一年先のキットを購入したりするようなのですが、そこまでの知識も待つ時間もないので、キーボードの通販をやっているところからDIYキットを購入することにしました。 違いのわからない男がざっと調べたところ、キーボードのパーツを扱っている通販会社が数社あってそれぞれでDIYキットとして販売しています。DIYキットを購入して、キースイッチ、キーキャップを別に買えば一通り組み上がるという手軽さです。

まずはレイアウトを決めていきましょう。 フルサイズのキーボードを100%のサイズとして、テンキーがないものは75%, リターンキーの右側に一列あるものが65%, リターンキーまでのサイズで60%と呼ばれているようです。 これに加えて、数字の上段にFunctionキーがあるもの、ないものが選べます。

自作キーボード関連で一番良く出てきて、ここが一番メジャーだと思ったのはKDBFANS(https://kbdfans.com) です。 なのでまずはここで選んでみることにします。

一番種類がありそうなのが65%で、ページアップ、ページダウン、ホームとテンキーが配置されている65%キーボードが一般的のようです。 もう一歩踏み込んだところだと60%キーボードで、カーソルキーあり、なしのレイアウトに分かれています。カーソルキーありはスラッシュのあたりにカーソルが配置されているので、スラッシュキーの配置がちょっと特殊な場所になっているようです。 スラッシュキーはプログラムを組むときに普通に使います。場所が変わると都合が悪いので60%カーソルありは選択肢から外れます。 これに加えてリターンキーあたりの配置が選べます。リターンキーの横に長いANSIレイアウト、逆Lの形のISOレイアウトがあって、ワタシの場合は横に長いリターンキーに慣れているので、ANSIレイアウト一択です。

あとはPCBAの上にスイッチを挟むプレートの素材です。真鍮、アルミ、ポリカーボネートがあってそれぞれ弾力が違うので好みが分かれるですが、これについては違いがわからないので、まずはお高いものを買ってみようと真鍮製にしてみます。

60%, 65%と悩むところなのですが、思えばカーソルキーってめったに使ったことないし、HHKBからの乗り換えなので、60%のキーボードから選ぶことにしました。

そして、ケースの素材ですが、重ければ重いほどスイッチを押したときの音が深くなるとの話があるようなので、アルミケース一択です。

そんなわけでまとめるとこんな感じ。

  • 60%サイズ
  • ANSIレイアウト
  • 真鍮製プレート
  • アルミケース

次はケースの形と色ですが、これは見た瞬間にこれだ!と思えるものでBlade60です。ケースが非対称になっていてちょっと面白い形をしています。色は今後買うキーキャップに合わせやすいようにホワイトを選びました。

そんなわけで、Blade 60, ANSIレイアウト、ホワイトで決定!

キーキャップの選定

キーキャップの選定は種類が豊富なので目移りしてしまいますが、実際に買うことができるキーキャップというのはそれほど多くない感じです。なので欲しいキーキャップがあったら迷わずにオーダーして備えておくような感じみたいです。GroupBuyもたくさん募集されていて1年待ったりします。

素材は劣化の少ないPBT製、加工が行いやすいABSとあるようで打鍵感も変わるそうです。PBTが良いとされているようですが、それほど違うものなのか実際に使ってみないとわからない感じです。 物自体はAmazon/Aliexpressで色々発売されていますが、GMKというメーカが結構いい値段ででています。キーキャップで高級な部類にはいるようでデザインも良いので高い値段でも売れているようです。 ものは試しにGBに参加しましたが、手に入るのは半年以上先みたいで商品を買うというよりはきたる次の次のキーボードへの投資みたいな感じですね。

使い心地を左右するものでプロファイルというものがあります。キーキャップの形状を表すもので上段から下段までなだらかにカーブを描くようになっているものから、フラットになっているものまであるようです。また、フラットでも高さが高いものから低いものまで色々あるようです。このあたりも色々買ってみて使ってみないと自分にどれが合うかわからない部分だと思います。

まずはわからないのでプロファイルについては適当に選びました。キーキャップのフォントはキーボードを見るわけではないので特に気にならないとおもっていたんですがデザインを左右する要素なので大事ですね。HHKBを使っていたので無刻印が一番シンプルで良いかなぁとも思っていたんですが、プロファイルのことを考えると刻印があったほうがどこのキーかわかるので無刻印へのこだわりもなくなりました。

一番目立つ要素が色ですね。色はホワイトで黒字で刻印されているもっともシンプルなものから、複数の色で分かれているものから色々とあります。実際にキーをみながらタイプすることはないのでタイピングに影響することはないですが、机においてあるガシェットの一つとして好きな色を選べるのは良いですね。。

必要な工具など

よくわからなかったので色々と購入したりしましたが、最終的に必要だと思ったものは下記になります。

  • ドライバ

キーボード関連のネジは小さいものが多いので精密ドライバーが必要。ネジのサイズと合わないと溝をなめてしまうので後々困ることになります。

  • ピンセット

これは作っていたときに必要だなぁと感じたものです。動画などでは皆さん普通に使っているのですが、ワタシは指があるからいいや!と思っていたんですが細かいネジなどが溝に入ったときに指だと届かないので一つあると便利な場面が出てくると思います。 また、キーボードの底に貼る滑り止めなども指で貼ると接着面に指の油分がついてしまうので可能な限り道具で貼り付けなどを行ったほうが良いようです。

  • キースイッチを抜くピンセットのようなもの

マイナスドライバでも代用できそうですが、均等に上下の引っかかりをつまめるのであったほうが良いことに間違いがありません。特に最初のころは力加減がわからずにキースイッチを押し込んで足を曲げてしまっていたので、これがないと結構面倒だと思います。

  • キーキャップを抜く針金でできたピンセットのようなもの

キーキャップを抜くときに使うもので、これもドライバなどで代用も可能そうですが、キーキャップの衣替えなどのときには個数も多くて大変なので必要だと思います。

  • ラジオペンチ

ホットスワップのPCBAならキースイッチを差し込むだけなのですが、ワタシが不器用なのかうまく溝に入らずにキーの足を曲げてしまうことがありました。あとあとにVIAのキーのカスタマイズのときにテストも兼ねるので簡単にわかるのですが、ワタシの場合61個のキーのうちに5つくらい曲がったので8%くらいの失敗率でした。

自作キーボードの説明などでは曲がってしまったキースイッチは使わないというのが正しいようです。ただせっかくのホットスワップPCBAだとキーを入れ替えたりとかしたいのでその都度8%ほどのキーが無駄になるのももったいないです。慣れれば失敗も少なくなると思いますが、キーの足が曲がってしまったらラジオペンチで直してから指し直すってのもありなんじゃないかと思います。実際に曲げ直して差し込んで今の所問題はありません。

  • ルブ

キーボードの組み立てに直接的に必要にはなりませんが、スタビライザーに塗っておく潤滑剤を用意しておくと余計なノイズが抑えられると思います。 違いがわかると言う意味で一度組み立てて一通り使ったあとから塗ってみてもいいですね。

ルブはキースイッチ用のさらさらしたような潤滑剤とスタビライザーなどに塗るべったり塗るような潤滑剤があるようです。 潤滑剤も色々と買ってみましたが、違いがわかるほどの知識はまだなくGPL205 G0というのを使っています。

ルブはキースイッチにもやるのが一般的のようですが、ワタシの場合はまだそこまで手をだしていない状況でスタビライザーだけ塗ってみました。

まとめ

今回は初めて買った自作キーボードのパーツの選定をしてみました。 最初は何が売っているのかわからない状態から、調べていくにつれて選択肢が多いことがわかって何を買ったら良いのかわからない状態になりましたが、なんとか自分なりの選択をすることができました。 次回は組み立てと自分なりの設定ができたのでそのあたりをまとめてみます。